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音楽・数学・建築 クセナキス生誕100年

2022年は、ルーマニア生まれのギリシャ系フランス人の現代音楽作曲家で建築家でもあるヤニス・クセナキス (1922-2021) の生誕100年です。

アテネ工科大学で建築と数学を、1948年より建築家ル・コルビュジエの弟子として学び、ブリュッセル万国博覧会 (1958年) でフィリップス館の建設に携わりました。

コルビュジェの弟子として働く傍ら、パリ音楽院にてオリビエ・メシアンに作曲を学びました。このときメシアンに「君は数学を知っている。なぜそれを作曲に応用しないのか。伝統的な修練は、あってもなくても同じではないか」と言われ、強い霊感を受けました。そして数学で生み出されるグラフ図形を元に、縦軸を音高、横軸を時間と見做し音響の変化を綴る形で作曲したオーケストラ曲『メタスタシス』を1954年に作曲、ドナウエッシンゲン音楽祭で鮮烈なデビューを飾りました。

その後も数学の論理を用い、コンピュータを使った確率論的手法(『ピソプラクタ』より採用)で多くの斬新な作品を生み出しました。

1970年代の作品では方眼紙を用いた直感的なグラフ作法とバルカン半島的な韻律に基づいた作品が多くありました。1977年には、電子音楽の作曲用コンピュータとして、ペンとタブレットで描いた線形が音響として反映されるUPICの開発を完了しました。

活動末期にはアルツハイマー病に罹患し、徐々に作曲能力も衰えて行きました。1997年には遂に作曲能力の低下が限界に達し、「オメガ」と名付けた作品を発表して自身の音楽活動に終止符を打ちました。

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